世間知らずって何?


はてなブックマーク−世間を知っている社会人なんて実はほとんどいない?


この記事とブクマコメントを読みながら、学生の頃に郵便局でアルバイトをしたときに言われたことを思い出しました。
「世の中で世間知らずと言われている職業を知っているか?教師、医者、坊さんだ。君らは看護学生だから、まあ同じようなもんだ。そのことをちゃんと自覚して仕事してください」


私の両親は教員で、親戚関係も教員が多い。ついでに父の実家は寺だし、従兄弟は医者をしている。で、親が教員ということで「世間知らず」というのは、けっこう言われてきたと思う。大人が言うんではなくて、同じクラスの子が言うのです。多分、親がそう言っていたんだと思うんですが。


私は自分の親には、そう言われていることを話したことはなかったけれど、一度だけ泣きながら「何で、お父さんとお母さんは先生なのー!」と言ったことがある、ような気がする。


教員が世間知らずなのか、ということは私には分からない。むしろ自信たっぷりに「教師は世間知らずだからね」という人は、何を根拠にそんなことを言うのかなあと思う。というか「世間知らず」って何?とも思うし…。


一つはっきりしていることは、「世間知らず」という言葉に私自身が縛られてきて、そのことに劣等感を持ってきたことだと思う。


最近は「世間知らず」と言われてもいいじゃないかって思っています。知らないことがたくさんあるんだ、と自覚することは大切だと思う。怖いのは「何でも知っているつもり」になることだと思うし。


ただ私が問題だと思うのは「世間知らず」ということに限らず、教員や医療従事者というのは固定されたイメージで見られることが多いんだなあということです。そして「だから教師は」とか「だから医者は」と必要以上に攻撃してくる人が、やっぱりいるんだなあということ。確かに当たっていることもあるんですけれど。


もちろん、これは学校側や病院側にも問題はあると思う。何か言われると「クレームが来た!」というような感じで構えてしまうことが多かったような気がする。そうやって構えてしまうことで、学校側と子どもたちとその親御さんたちや、病院側と患者さんたちとの溝が深くなっていっているような気がする。これでは改善されなければならないことも、改善されないんじゃないかとも思う。


じゃあどうすればよいのか、と言われると難しいなあと思うんですが。少しずつ信頼関係を積み重ねていく以外に方法はないような気がする。それをいつもぶち壊してくれるのは一部のマスコミなんじゃないかと思うのは、私だけかな。