言わなきゃいいのに

免許更新のために、警察署へ。
健康状態のチェック項目に「意識を失ったことがある」というのがあって、一瞬迷う。私は薬の副作用で意識を失ったことがあるから。もう、その薬は飲んでいないので問題ないのだけれど。しかし結局、言ったのでした。
言わなきゃいいのに。
「ちょっと、こちらへ」と言われ、「病院に通っていらっしゃるんですか」と聞かれる。
「はい」
「あの、差し支えなければ病名を…」
「きしつせいきぶんしょうがいです」
「どう書くんですか?」
ペンを渡されて書く。意識を失った過程を一通り話す。
「本部に連絡して聞いてみますので」
ああ〜、すみません。言わなきゃよかったよ。
しばらくして「特に問題ないとのことでした」と言われる。
だから、言わなきゃよかったよ。


更新手続きを終えて、お手洗いへ。足元にキラキラ光るものが落ちている。拾ってみる。ネックレスだった。落し物は届けなきゃねと思い、1階の総合受付へ。
「これ、落ちてたんですけれど」
「あ、じゃあ申し訳ないけれど、3階の拾得物係りに行ってもらえますか」
ひ、拾うんじゃなかった…。
入庁許可証を持って、3階へ。
拾得物預り書を書いてもらう。
「落とし主が現れた場合、お礼をもらうことができるんですが」
い、いいですから。
警察署内で落し物を拾うと、こうなりますよという話。