学生時代のアルバイト

http://d.hatena.ne.jp/legnum/20070724/1185269140

この記事を読んで思い出したこと。


人に話すと「え〜?」とびっくりされるんですが、学生時代の4年間、居酒屋でアルバイトをしていました。社員さんは各支店に数人で働いているのは、ほとんど学生かフリーターというお店。


営業時間は17時30分から4時まで。授業が終わってサークル行って、23時から4時まで働いて、家に帰って少し寝て9時からまた授業に出てなんてことをやってました。信じられないなあ、今考えると。


当然のことながら両親には内緒。白状したのは20代後半になってからだったと思う。


クレームは正直ありすぎて覚えていなくて、それよりも飲み屋なので嘔吐物の処理なんかの方が印象に残っています。背中に向かってやられた子もいたなあ。


当時はバブルがはじける少し前くらいで、閉店間際になると近くのスナックのホステスさんがやってきたりする。このホステスさんが一番、怖いお客さんだった。別に何かされるという訳ではないんだけれど、何てったって相手は接客のプロなんで、ものすごーく緊張したもんです。


あと大変だったのはキャッシャーかな。レジ打ちのことなんですが、何せお金を扱うので、責任は重かったと思う。まだオーダーエントリーシステムなんて無い時代だったので、まずレジを早く打つことが課題だったような気がする。キャッシャーの仕事はレジ打ちの他に、お客様の案内、宴会の予約等の電話の対応、時間ごとの売り上げや客単価の計算等いろいろありました。キャッシャーを任されるということは、それだけ信用されているということで、やりがいはあったんですがレジ閉めの時に金額が合わない〜なんてことがあると、もう必死で全てのレシートを見直したりした。


キャッシャーをしていて今でも忘れられないのは、レジ閉めの時に一万円足りなかったこと。何回、お金を数えても一万円が足りない。これが何百円とかいうのだったら、打ち間違いかなと思うんだけれど、足りないのはちょうど一万円。とにかく、とんでもないことをしてしまったと思って、店長と一緒に一時間くらい、あちこちひっくり返して探したんだけれど、とうとう一万円は出て来なかった。


最後に店長が「よし、ここまでにしよう」と、青ざめている私に言って一万円探しは終わった。「申し訳ありませんでした」と言うのが精一杯で、更衣室に入ったとたんに座り込んでしまって「どうしよう、どうしよう」と思っていたのを覚えている。


店長に「ここまでにしよう」とは言われたものの、何だか私は帰れなくて、店の片隅で今日しなくてもいいような作業をごそごそとしていた。それを見つけた社員さんが、「もういい、ののかちゃん帰れ」と強い口調で言った。


帰るときに私は「今日は本当に申し訳ありませんでした。」と頭を下げた。そのときに社員さんが「ののかちゃん。ミスをしたときは、まず最初にきちんとそれを認めて素直に『申し訳ありません』と謝れる人になって欲しいんだ」と言った。私は「はい、本当に申し訳ありませんでした。」と言ってもう一度深く頭を下げた。顔を上げると、社員さんは「よし!」と言って、にっこり笑った。


甘いと言えば甘い対応かもしれない。疑われてもしょうがない状況だと思う。でも、店長も社員さんも私を疑うようなことを言わなかった。その後も私にキャッシャーを続けさせてくれた。


たかが居酒屋のアルバイトと思う人もいるかもしれないけれど、けっこうハードな仕事で、辞める子も辞めさせられる子もいた。それを4年間続けたというのは、自分でも不思議なんだけれど、けっこうあのバイトで学んだことってあるんだろうなと今になって思う。