昨日の続き

 精神科が他の科と違うところは、数値などで変化が確認できないことだと思う。高血圧症であれば血圧が正常範囲内になる、糖尿病であれば血糖値等が正常範囲内になる、というように、分かりやすい変化ではないということ。最近は画像診断などの研究はすすんでいるけれど、臨床で活用できるレベルまでには達していない(と思う)

 あと治り方が人によって違いが大きい。なかなか良くならない人もいれば、あっさりと良くなっていく人もいる。なぜ良くなったのか分からないというケースもあるだろうし。そして、どう頑張ったって、ある一定の状態以上には良くならない人もいる。

 医療は万能ではない、ということを特に感じさせられるのが精神科だということになるのかな。それだけに医療者側と患者、その家族との信頼関係が重要になってくるのかなと思う。もちろん、それは他の科でも言えることだろうけれど。

 良くならないとき、人はそこに「理由」を求めようとする。本人のせいにしたり、環境のせいにしたり、治療者のせいにしたくなる。良くなった場合も、そこに「理由付け」をしたくなる。でも、本当の理由は分からないものなんじゃないかと思う。

 精神科に対する不信感、抵抗感の中で、最初の受診が傷になっているというケースは多いという印象がある。それだけに医者(病院)選びは慎重になっていいんじゃないかと思う。あと受診のタイミングなんかも関係してくるような気がする。