そうだよ

あなたは「特に深い意図はなかった」と言いましたが、私にとってはそうではなかったんです。声、とか、足音、とか、聞こえるだけで安心したし、笑ってくれれば私も笑顔になったし、同じ空間にいるだけで幸せだったし、ちょっと愚痴を言ってくれるのも嬉しかった。


何気ない一言に傷付いたりもしたけれど、顔を見てしまうと「まあ、いいか」という気持ちになってしまいました。


夢にまで、出てこられたときには、それはびっくりしましたが、目が覚めて呆然として涙を流しながらも、それでも何となく幸せなような気もしました。


でも、もうすぐさようなら。また会えるかな。会えないかな。会おうと思えば会えますが、多分、もう二度と会わないような気がします。


「お兄ちゃんみたいな感じ」と言ったけれど、本当は違うんです。好きだったんです、多分。でも言わなかった。言えなかった。


「寂しくなるなあ」という言葉を聞けただけでも、私は嬉しかったです。


好きでした。さようなら。本当に好きでした。