仕事の合間に彼と会う

初めて就職したのは、小規模の病院だった。小規模と言っても、それなりに忙しく三交替という勤務形態に慣れるのにも時間がかかったと思う。

当時、私はすでに今の夫と付き合っていた。休みの日は、とにかく体を休めることが第一だったけれど、そういう時間の合間をぬって彼に会いに行った。


日勤→深夜勤という勤務があって、その合間に彼のアパートに行ったこともある。日勤が終わって帰るのが19時頃。深夜勤は23時30分から。仮眠をしないと深夜勤はきつい。テレビを見ている彼の横で、ただ眠り続ける。何のために行ってたんだろうと思うのだけれど、少しの時間でも彼の傍にいたかったのだと思う。

お昼前に深夜勤が終わると、また彼のアパートに行く。そしてまた眠る。夕方になると彼が大学から帰ってくる。ぼーっとした頭で食事に出かける。そしてまた眠る。何だか眠るために、彼のアパートに行っていたのかと思うほどだ。

夜勤をしていると、睡眠のリズムが狂う。夜中に目を覚ますと、彼が机に向かってレポートを書いている。「コンビニ行くけれど、何か買ってくる?」「缶コーヒー。甘くないやつ」「分かった」そういう会話や、机の上の電気スタンドの明かりがまぶしかったことなんかが、今では懐かしい。


仕事をして、その合間に彼と会うというとてもシンプルな日々。そして幸せで楽しかった日々。