手帳のことなど

 はてなブックマーク>精神障害者保健福祉手帳を読んで「へー」と思って、本当に歴史が浅いんだなあと。そして「知らなかった」というLSTYさんのコメントにも「へー」と思った。いや、「へー」なんて言っている場合ではないのだけれど。自分にかかわってくることなので。今まで単に「手帳」と言っていたけれど、これは全国共通なのかな。

 精神科病棟には喫煙室があって、そこは患者同士が情報交換をする場にもなっていた。私はタバコを吸わないので、よく分からないのだけれど。ある日、喫煙室で手帳のことが話題になったのを同室の子が教えてくれて、「手帳ってどんなものなのかな」と思った私は主治医に「私も手帳を取得できるんですか」と聞いた。主治医の答えは「できるけど、あなたの場合は今のところあまりメリットはないかな。取得したいのだったら、いつでも診断書は書くよ」だった。それよりも私の場合は薬代が高いので、退院したらまず通院医療公費負担制度を利用した方がいいな、という話をした。

 その後、障害者自立支援法が成立して、公費負担制度は自立支援医療になったのだけれど、この切り替えがけっこう大変だったと思う。今年の4月1日から施行されたのだけれど、申請の書類が送られてきたのが2月。役所の人も対応に手一杯という感じだったし、質問しても今ひとつ何が変わるのかよく分からなかった。実際、受給者証が送られてきたのも、4月に入ってからだし。

 それにしてもこの受給者証、すごく目立つのです。自治体によって違うのだろうけれど。受診の度に会計窓口と薬局に見せなくてはいけないのだけれど、「ああ、あの人もなのね」とすぐ分かる。別にいいんだけれど。

 実は自立支援法で何が変わるのかというのが、私は今でもよく分かっていない。制度のことも未だに分かっていない。こういうのは自分から情報を探していかないとどうにもならないんだよね。入院していた病院のケースワーカーさんは、とても親身になって分かりやすく説明してくれた。最初は何から聞いてよいのかも分からなかったりするし。緊張して、へろへろになっている私の話をよく聞いてくださったよなあと思う。

 その時に、ケースワーカーさんから手帳の取得も同時にしますかと聞かれたのだけれど、今はいいかなと思ってしなかった。というよりも、手帳を取得することに対して抵抗があったんだろうか。何だかこう「あぶない奴」に見られるんじゃないかという。全然そんなことはないのだけれど。でもまだあの頃は「精神障害者」という言葉に対する抵抗感というのはあったのだと思う。今はどうなんだろう。自分でもよく分からない。